アブストラクト
スマートフォンの普及によって,多く人が参加して多量のセンサーデータを収集するクラウドセンシングの実現可能性が高まっています.特に,位置を中心とした情報を利用するサービスが注目されていて,より高精度な検索・推薦サービス,ゲームやSNSなどの応用への期待が高まっています.しかし従来のクラウドセンシングは,ユーザーの自由な活動の中で得られるセンサーデータを前提にしており,品質の制御が難しくなっています.そのため近年では,データ量を増やす目的で,金銭的報酬やゲーム化を利用したインセンティブ・デザインが注目されています.これに対して本研究では,データ量ではなくサービス品質自体が直接的に向上するようにゲーム要素などを制御する枠組み「誘導型クラウド・センシング」を提案します.本研究では,最適なポイント(ゲームやクーポンなど)の大きさをオンライン機械学習の枠組みで定式化しました.また,実現可能性評価の初期段階として,Wi-Fi測位システム構築のアプリケーションにおいて,ゲーム化されたクラウドセンシングシステムを構築しました.
「クラウドソーシングに関する機械学習」をリーディングする京都大学の鹿島先生との共同研究の成果です.
ニュース
この研究の成果論文は2014年9月13-17日に開催される UbiComp 2014 (The 2014 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing) の口頭発表として採択されました.
以下のセッションにて口頭発表しました.
2014/9/17 9:00-10:30: Session “Sensing the Crowd”
関連論文
Ryoma Kawajiri, Masamichi Shimosaka, Hisashi Kashima.
Steered Crowdsensing: Incentive Design towards Quality-Oriented Place-Centric Crowdsensing.
In Proceedings of the 2014 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing (UbiComp 2014), pp.691-701, 2014.
成果物
メンバー
川尻亮真,下坂正倫,鹿島久嗣(京都大学)