近年,複数のセンサー機器を用いた行動認識は,ライフログやヘルスケアなどのアプリケーションにおける精度向上のために研究がされています.日常的な利用においては,ユーザーやセンサ機器の状態に応じてセンサが欠損する可能性があり[1],日常的な利用に向けては一部センサ機器が欠損しても使用可能なシステムが求められています.
既存の行動認識モデルではセンサ機器の欠損したデータを入力すると,性能が大幅に下がります.センサー機器の欠損に対する既存の対策として,欠損データを補完するモデル[2]がありますが,複数のセンサー機器の欠損組み合わせに対応するには大量の計算資源が必要となることや,データセット依存な手法であることが課題となっています.
本プロジェクトでは,各センサデータに対応した識別器の出力を統合するアンサンブルモデルに注目しました.センサ機器の欠損組み合わせに対し,アンサンブルモデルを高速にチューニングすることで,計算資源を考慮しながらセンサ欠損に堅牢な行動認識システムを提案しました.
複数センサー機器による行動認識データセットを用いて,センサー欠損を仮定したテストデータによる計算資源と認識精度の検証を行い,提案手法が計算資源を抑えながら堅牢な手法であることを示しました.
— 関連研究 —
[1] 荒川豊,中村優吾,松田裕貴.
実生活中の継続的な生体センシングの難しさ
2022年度人工知能学会全国大会(第36回),京都国際会館+オンライン
[2] N.Oishi, P.Lago, P.Birch, D.Roggen.
Hierarchical Feature Recovery for Robust Human Activity Recognition in Body Sensor Networks
Adjunct Proceedings of the 2022 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing and the 2022 ACM International Symposium on Wearable Computers, Cambridge,UnitedKingdom