アナウンスが遅くなってしまいましたが,
先月大阪で開催された
The 19th International Symposium on Wearable Computers (ISWC 2015)
にてセンサデータに基づく人間関係の解析手法に関して研究成果を発表してきました.
以下のセッション・内容にて発表しました.
9/11 Early Afternoon 14:30 – 15:50, Hall A
ISWC/Environmental Sensing Systems
Fine-grained Social Relationship Extraction from Real Activity Data under Coarse Supervision
Kota Tsubouchi, Osamu Saisho, Junichi Sato, Seira Araki, Masamichi Shimosaka
(Yahoo! JAPAN Research/The University of Tokyo/Tokyo Institute of Technology, Japan)
会社や組織内の人間関係を把握することはとても有用であり,特にセンサデータから(オンラインのSNSではなく)実世界における人間関係を分析する試みが盛んになりつつあります.センサから二人の関係を類推しようとしたときに,「同席した」「同行した」といった判定処理を正しく行えることが成否を分けることになります.判定処理の高精度化にはなんらかの教師データが必要になります.実際のところ「いつ誰々と同席した」のうち,「いつからいつまで」については記憶が曖昧になりがちです.一方,「いつ」同席していたかによって職場のみでの付き合いなのか,アフター5な付き合いもあるのか,関係にも幅があります.
この問題に対して今回の発表では,multiple instance learning (MIL)に基づく考え方を導入し,歩数計のデータと「昨日~~さんと一緒にいましたか?」という簡単なアンケートの答え(粗い正解データ)から,人々が一緒にいた「時間帯」まで予測することを可能であることを示しました.時間帯をぼやかした単純なアンケートであっても,歩数データと組み合わせることで組織内の人と人との交流の具合が明らかになる可能性があることを示しました.
(本発表はYahoo! JAPAN 研究所との共同研究の成果になります.
この論文を読むと,Yahoo! JAPAN研究所の
人間関係と研究室学生の人間関係に差があることがわかります.)