独居高齢者の家に設置した焦電センサの値を常時計測し、それを長期蓄積することでその人特有の生活パターンを把握し、オンラインで入ってくる現在のデータをそのパターンと比較することで高齢者の卒倒や認知症、躁鬱病といった異変を自動検知するアルゴリズムの開発に取り組んでいます。昨年の論文では、行動はそれが起きる場所と時刻と継続時間によって適切に分類できることと、各場所における時刻と継続時間の2次元プロットが各行動をひとつの正規分布とする混合正規分布として表せることの2点を提唱し、独自の行動分類アルゴリズムを構築しました。また、異変検知段階では確率の低い行動が何らかの異変の候補であるという従来の考え方に加え、認知症や躁鬱病といった徐々に進行する症状は時間帯と継続時間のモデルが徐々にある方向に変動していく傾向として検知できると仮説を立て、それを実験によって証明しました。現在は個々のデータを独立に扱っていますが、今後は数十人の高齢者データによる他者モデルの利用や典型行動モデルの構築からの異変検知などが面白そうだと考えています。
下坂研究室
Shimosaka Research Group pursuing MIUBIQ (machine intelligence in UbiComp Research)
Copyright 2015 · Shimosaka Research Group at TITECH