2023年11月21-22日に,情報処理学会UBI研究会第80回研究発表会が, 淡路夢舞台国際会議場にて開催されます.我々は本研究会にて,以下の論文の発表を行います.
1. ハンズフリーのデバイス操作のための汎用イヤラブルデバイスのIMUセンサーを用いた表情認識手法
表情認識を行う研究は顔画像を用いた研究は古くから行われていましたが,プライバシーなどの課題が残り,日常生活では使用が難しい状況です.そのため,表情認識技術の常用化のため,近年身近になったイヤラブルデバイスを用いた表情認識の研究も盛んになってきてはいますが,こちらもセンサーの重量などの問題により普及には至っていません.
そこで本研究では,音楽を聴くことを前提とした汎用イヤラブルデバイスに内蔵されたIMUセンサーによる表情認識の可能性について提案します.ユーザーが特別な装置を設置することなく,ハンズフリーデバイス操作など,日常生活に表情認識技術を導入することが期待されます.
本研究では,汎用イヤラブルデバイスを用いて8人の被験者の表情変化データを収集し,機械学習を用いて79.4%の精度で表情認識が可能であり,常用化の有効性について検討しました.
2. 敵対的生成モデルに基づく活動人口の波形描画を用いた混雑寿命予報
イベントなどに際して,ある地域に人が密集することで発生する群衆混雑の予報は,実応用上の重要性から長年研究されています.
近年,我々は混雑予報問題の中で特に,それまで実現されていた混雑の発生の予報[Anno@SigSpatial’21]のみならず,発生した混雑の中で,開始から終了にかけて混雑度がどのように変化するのか,すなわち「混雑寿命」の予報に取り組んできました.先行研究では,訪問者の「増加」「減少」といった事象を,状態として考慮する予測手法が提案されています[安納ら@SigUbi78].一方,この既存手法には,状態を考慮するだけでは訪問者の変化量まではわからないという課題がありました.
そこで本研究では,「増加」「減少」といった事象に加えて,その際の訪問者の変化量を捉えるための手法である,Generative Envelope Depiction(GED)を提案します.GEDは,混雑下の訪問者数変化を「形状」として捉え,また形状を精緻に描画するために敵対的生成ネットワークの枠組みを採用した手法です.
人工データ及び実イベントデータへの適用により,提案手法が既存手法[安納ら@SigUbi78]と比較して,混雑時の訪問者数推移をより精緻に予測可能になることを確認しました.
発表情報(詳細プログラム)
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2023年11月21日(火) 14:45–16:15 セッション3: VR・頭部
ハンズフリーのデバイス操作のための汎用イヤラブルデバイスのIMUセンサーを用いた表情認識手法
北森 迪耶, 坪内 孝太 (LINEヤフー株式会社), 西尾 信彦 (立命館大学), 西山 勇毅 (東京大学), 下坂 正倫
2023年11月21日(火) 16:30–18:00 セッション4: AI
敵対的生成モデルに基づく 活動人口の波形描画を用いた 混雑寿命予報
安納 爽響, 坪内 孝太 (LINEヤフー株式会社), 下坂 正倫
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