乗換案内アプリには路線バスを含む案内を行う機能が存在しており,路線バスを含んだルートが案内に使用されることがあります.しかし,現在の路線バス案内の所要時間は,特に朝晩のラッシュ時において過小に見積もられる傾向にあります.そのため,路線バスの所要時間を正しく推定できる技術が重要となります.
路線バスの所要時間推定においては,直前の所要時間実績からその後の所要時間を推定する研究が多く行われてきましたが,これらのモデルは,時に翌日,時に数ヶ月後の案内を行う可能性のある乗換案内アプリには用いることができません.
この問題の解決に向けて,既に1日・1週間単位での路線バスの周期性に着目した長期の所要時間推定も行われていますが,実用的な問題である,「どの程度信頼できるか?」「乗り換えが成功するか?」といった観点での評価は行われていませんでした.
以上のような問題を解決するため,私たちは,長期での推定にも使用でき,なおかつ所要時間その確率分布とともに推定することができる路線バス所要時間推定手法を提案しました.