近年,モバイルデバイスの急激な普及により,端末位置の測位技術が,地図アプリだけでなく様々なユビキタス・コンピューティングのアプリケーションの基盤として重要となっています.
現在,屋外の測位技術としてGPSが主流となっていますが,屋内では精度が悪く使用できません.そのため,Wi-Fiのアクセスポイントから発生する信号強度(RSSI)を用いた屋内専用の測位の研究が多く進められています.その屋内測位の手法として,フィンガープリントを使用して屋内の位置を同定する手法が一般的です.
しかし,この測位手法において,時間経過とともに環境変動(例えば,新しい自動販売機の設置や,アクセスポイントの移動など)により,RSSIの分布が変化するという問題が知られています.
この問題は,長期のサービス適用が必要とされる測位において,重大な問題であります.
この問題に対して,少量の新しいデータと今まで収集されていたデータを使用し,測位精度の修正が可能である,転移学習という手法が提案されています.
しかしそれらのモデルでは,期間が経過するごとに収集されているデータの量が増加し,計算コストやメモリコストが増加していき,膨大となる等の問題がありました.
それらに対し,計算コストやメモリコストを一定レベルに維持したまま,今までのモデルと同等の精度修正能力を持つ逐次学習法「GroupWiLo」を提案しました.
Publications
Masato Sugasaki and Kota Tsubouchi and Masamichi Shimosaka and Nobuhiko Nishio
Group Wi-Lo: Maintaining Wi-Fi-based Indoor Localization Accurate via Group-wise Total Variation Regularization.
2019 International Conference on Indoor Positioning and Indoor Navigation (IPIN).